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【実施レポート】コロナで観光客が激減!津堅島の次世代リーダーと共に取り組む島おこしプロジェクト(2022年10月17〜19日)

【実施レポート】コロナで観光客が激減!津堅島の次世代リーダーと共に取り組む島おこしプロジェクト(2022年10月17〜19日)

沖縄県中部に位置するうるま市平敷屋港(へしきやこう)から高速船に揺られること約15分。
透き通る青い海に囲まれ、音楽と三線の神様 赤犬子(アカインコ)生誕の地でもある「津堅島(つけんじま)」。

今回は、この津堅島で3代続く民宿「神谷荘」のオーナーをつとめる神谷恭平さんのお悩みに対し、
株式会社ISLAND代表 中司雄也さんをパートナーにお招きし、ワーケーション企画を行いました。

本レポートは、そんなお二人の津堅島での出来事を報告します。

≪津堅島とは?≫
沖縄県うるま市に属する人口およそ400名の離島。主な産業は、農業・漁業・観光業となっており、特産品の津堅にんじんが有名なことから別名「キャロットアイランド」とも呼ばれている。本島からわずか15分で行ける場所にも関わらず、離島ならではの大自然と古き沖縄の原風景が残り、多くの離島好きから愛されている。

相談者:神谷 恭平(カミヤ キョウヘイ)さん<写真左>
津堅島で40年続く民宿「神谷荘」の3代目オーナー。津堅島で育ったのち東京で仕事をしていたが、長引くコロナウイルスの影響で経営に苦しむ民宿を救うためUターン。ITやSNSを取り入れた事業を展開し、民宿経営や食堂運営のほか、フォトウエディングや音楽配信・ハンドメイド事業などを始める。現在は津堅島を音楽に溢れる島とする「ミュージックアイランド計画」を推進中。

パートナー:中司 雄也(ナカツカサ ユウヤ)さん<写真右>
株式会社 ISLAND代表。コーチングサービス「HALERU(ハレル) 」を立ち上げるほか、WebやSNSマーケティング、映像、グラフィックなどのプロデュースを行う。神戸出身。沖縄移住歴8年目。

音楽と三線の神様生誕の地『津堅島』とは

今回の舞台となったのは、沖縄県中部に位置する津堅島。
津堅島は人口約400名の小さな島で、本島からわずか15分で行ける離島として人気があります。

津堅島の周囲は青く透き通った海に囲まれ、フェリーを降りると見えてくる昔ながらの原風景は、「島ならではのゆっくりとした時間を楽しむことができる」と多くの離島好きから愛されています。

そんな津堅島の特産品は、糖度がフルーツに匹敵するといわれる津堅にんじん。島内には、可愛らしいにんじんの形をした「にんじん展望台」があり、そこから見える沖縄本島やトゥマイ浜のビーチはとても美しいものとなっています。

また、津堅島は沖縄古典音楽の始祖である「赤犬子(アカインコ)」生誕の地として、音楽と三線の神様が祀られている場所。
2021年2月には島の北側に赤犬子生誕の石碑が建てられるなど、音楽の島としての注目も集まってきています。

東京からUターン!島と民宿を守る3代目オーナー神谷恭平とは

そんな津堅島で40年続く民宿「神谷荘」の3代目オーナーをつとめる神谷恭平さんが今回の相談者。

神谷さんは津堅島で育ったのち、20歳の時に上京。その後ウェディング業界で音響関係の仕事をしたのち、コロナウイルスの流行で経営難となった民宿を守るため2019年に島へUターンしています。

神谷荘ではコロナウイルスの流行があった2019年の宿泊者が846名へ減少。2020年4月からは休業を余儀なくされ、2020年の宿泊者は0名となってしまいました。

神谷さんはそんなコロナ禍で生まれた時間を生かし、SNSを使った発信活動を開始。TikTokのフォロワーが1ヶ月で3,000人を超え、YouTubeで毎日音楽配信を行うなど、津堅島や神谷荘の特色を生かした発信を行っています。

また、コロナウイルスの流行をきっかけに、これまで外部に制作を依頼していたデザインの仕事も自分たちで行うようになり、既存の看板やホームページを新しいものへと一新。オリジナルTシャツの販売や、島に少ないお土産品を自らレジンアートでつくるなど、コロナ禍でもできる事業の幅を増やしてきました。

津堅島の若きリーダーが描く島の未来と現在地

民宿を引き継ぎさまざまな事業を行う神谷さんは、島の今後を見据え、現在「津堅島ミュージックアイランド計画」を推進中。
音楽と三線の神様がいる津堅島で、民謡歌手「神谷幸一」さんを祖父にもつ恭平さんは、津堅島の未来について

「僕は津堅島を、島にくるとなにかしらの音楽が聞こえる場所にしたいんです。例えば、島のあちこちで滞在者が音楽を奏でていたり、神谷荘にくると必ずイベントが開催されていて音楽を楽しめたり。いつかは神谷荘を改装して海を目の前にしたステージも作りたいし、音楽フェスもやりたいですね。おじーが守ってきたこの民宿を守りながら、津堅島を音楽の島としてもう一度盛り上げていきたいんです。」

と語ります。

ただ現状は民宿の老朽化、コロナウイルスによる観光客の減少、スタッフの人手不足による既存事業の継続問題などさまざまな課題があり、プロジェクトを進めていくために島内のマンパワーやスキルだけでは不足を感じているとのことでした。

そこで今回津堅島に訪れていただいたのが、株式会社ISLANDの代表をつとめる中司雄也さん。

コーチングサービス「HALERU(ハレル) 」を立ち上げるほか、デジタルマーケティングや映像・グラフィックなどのプロデュースを行う沖縄移住歴8年目のプロジェクトパートナーです。

中司さんが津堅島を訪れるのは今回がはじめてのこと。実際に神谷荘に滞在しながら、島での時間を通じて、なにか一緒にできることはないかを模索していただきました。

ここからは、その実施内容をお伝えしていきます。

ワーケーション実施内容レポート
  • ワーケーション1日目:10月17日
14:00|平敷屋港へ集合。フェリーで津堅島へ出発。


まずは津堅島に向かうため平敷屋港へ集合。今回の企画を運営するスタッフより、中司さんに企画の趣旨説明などが行われました。
その後フェリーに乗り、今回の舞台である津堅島へ。津堅島に向かうフェリーは1日5便。約15分ほどで島に着く「高速船」と、ゆっくりと景色を楽しみながら乗船できる「フェリーくがに」があり、我々はフェリーくがにへの乗船となりました。

14:30|津堅島へ到着し神谷荘へ移動


30分ほど乗船し、いよいよ津堅島へ上陸となりました。
この日の天候は雨。津堅島周辺は傘が必要なほどでしたが、フェリー降り場まで神谷荘スタッフのひなこさんがお迎えに来てくださり、快適に移動することができました。
神谷荘では日頃から、宿泊者の送迎も行っているということで、フェリー降り場から約5分ほど島の原風景を楽しみながら宿へと向かいました。

16:00|顔合わせ&ミーティング


神谷荘へ到着後、今回の相談者である神谷さんとプロジェクトパートナー中司さんの顔合わせを行いました。津堅島の現状、神谷荘の事業内容、今後のビジョン、現在の課題点などを共有し、今後津堅島を「ミュージックアイランド」にしていくために必要な現状の課題整理を行いました。

その結果、現在神谷荘では宿泊業に加え、日帰りバーベキュー・食堂運営・冬季期間の農業・マリンスポーツ事業・音楽配信事業・フォトウエディング・ハンドメイド雑貨の作成など多種多様な事業を行っており、それらに対してスタッフの人手不足があることがわかりました。

ミュージックアイランド計画を進めていくためにも事業内容の整理やスタッフの確保が必要であり、現在それらの解決に向けて運営しているYouTube・Instagram・TikTokなどのSNSを確認しながら、今回どういった形でサポートができそうか?を約2時間ほどかけて話し合いました。

18:00|ハンドメイド雑貨のInstagram運用相談

神谷さんとのミーティング終了後、現在神谷荘でハンドメイド雑貨の作成に励むひなこさんのInstagram運用相談が行われました。現在の販売導線や発信内容を確認しながら、中司さんよりSNSマーケティングに関するアドバイスを実施しました。

ひなこさんからは、「これから向かえる冬季期間のなかで、今回のアドバイスをもとに事業を発展させていきたい!」との声が聞かれていました。

19:00|夕食

ミーティング終了後は、神谷荘に併設する食堂で夕食をいただきました。

こちらの食堂はもともと神谷さんが津堅島に食事を提供するお店があまりないことから、「来島者の方が食事に困らないように」と
作った場所。お食事は神谷荘のスタッフさんの手作りで、お肉やお魚などボリューム満点。
お食事の美味しさもさることながら、神谷さん達の心配りがとても温かい時間でした。

また、神谷荘では天気がよければ外のテラスでBBQなども可能で、日帰りでの対応も行っているとのことです。

20:00|音楽ライブ

夕食後、宿泊者とスタッフさんで即興ライブを開催。

神谷荘では「ミュージックアイランド計画」を推進しており、アーティストや音楽を楽しみたい人がいつでも音楽に触れることができるよう、多くの楽器や音響設備が整えられています。

この日も滞在している私たちと一緒に音楽を楽しんでくれた神谷荘のみなさん。歌手であるスタッフひなこさんの歌声や、島が醸し出す雰囲気がとても素敵で、ゆったりとした時間を過ごすことができました。

音楽ライブのあとは各自就寝。1日目からとても充実した時間となりました。

  • ワーケーション2日目:10月18日
8:00|朝食&ワーケーション

この日は朝8時の朝食からスタート。天気は曇り空でしたが、神谷荘の食堂からみえる一面の海が気持ちよく、
各自窓際席での食事となりました。

朝食後は各自ワーケーション。海辺を散歩したり、各自の仕事を行うなど、それぞれの時間を過ごしました。

神谷荘はすぐ横の海まで徒歩1分ほど。海をみながら遊べる絶景ブランコやテラス席もあり、晴れた日は青い海が美しく、
まるでプライベートビーチのような静けさを味わうことができます。

また実際に海岸沿いを歩いてみると、ビーチにはゴミが少なく、神谷さんや島の人が津堅島を守ろうと行動している姿を感じることができました。

12:30|ライブ配信鑑賞

神谷荘では毎日12:30から、音楽で島おこしをするためYouTubeとTikTokを使ったライブ配信を行っています。

この日もライブ配信が行われ、宿泊者はそれを鑑賞。ひなこさんの透き通るような声と神谷さんの奏でるリズムが心地よく、
窓の外から響いてくる波の音も相まって、とても贅沢な時間を過ごすことができました。

13:00|ミーティング

2日目のミーティングでは、昨日の現状確認を踏まえ、今回どんなことに協力できそうか?が話し合われました。

神谷荘では現在進めている「ミュージックアイランド計画」において、アーティストをもっと島に誘致したいという思いがあり、
今回はそんな計画を実現するためのクラウドファンディング(以下、クラファン)支援を行うこととなりました。

中司さんよりクラファンやマーケティングに関する知識を聞きながら、クラファン内容の精査・今後のビジョン確認・リターンの
アイデア出し・実施文章の流れ作成・スケジュール調整などを実施。

話し合いは、途中休憩をいれながら3時間ほど続き、クラファンページの作成に関しては今後神谷さんが、その確認については後日中司さんがフィードバックをしていく運びとなりました。

16:30|島散策

ミーティング終了後は車をお借りし津堅島散策へ。音楽と三線の神様「赤犬子」の石碑やニンジン展望台などをまわりました。

津堅島は手付かずの自然が残り、古き沖縄の原風景がみられる島。散策の途中には島のみなさんが働く畑や漁港も見学することができ、島の現状をそれぞれの目線で確認することができました。

18:00|夕飯&音楽演奏

帰宅後は食堂で夕飯をいただき、その後再び音楽を楽しみました。

昨日の音楽ライブがとても楽しかったことから自然な流れで宿泊者がギターを弾きはじめ、それにつられるようにしてライブが
開始。

神谷荘には音響設備や楽器が準備されており、「津堅島を、いつでも音楽が聞こえる場所に」という神谷さんのこれまでの努力を感じながら2日目の夜もよい時間を過ごさせていただきました。

  • ワーケーション3日目:10月19日
7:00|朝食&自由時間

最終日の朝は、朝一のフェリーに乗るため少し早めの朝食からスタート。

この日は晴れ間のみえる天候で、朝食前に散歩をしたり、海をみながら各自の仕事を済ませる様子が見られました。

神谷さんの温かい食事を食べながら、この3日間での滞在を想う時間となりました。

8:00|フェリーにて平敷屋港へ

フェリー乗り場までは神谷さんが車で送迎してくださり、津堅島での滞在が終了。

今後もメッセージなどでクラファンについて進めることを確認しあい、ワーケーション企画が終了となりました。

▼協同で作成されたクラウドファンディングページ

作成されたクラウドファンディングのページは、こちらからご覧いただけます。

▼クラファン達成!!

クラウドファンディング目標金額達成!!
約3週間で、島しょの目標金額300,000円を上回る380,000円、52名の方にご支援いただき、目標金額を達成することができました。

実施後の神谷さんの声

「クラウドファンディングの存在は知っていましたが、なかなか踏み出すのは難しいところで、今回のプロジェクトにて心強い大きな一歩を踏み出すことが出来ました。」

「私共のような地域の事業者は、専門家の心強いコンサルティングは、中々受ける機会もありません。手厚いサポートを頂いただけでなく、クラウドファンディングが成功し〝結果〟として残り、改めてやってよかったなと考えています。」

「やってみたいことや、小さいアイデアなど、誰でも頭の中にあると思いますが、実際に背中を押してくれる機会というのは中々ありません。行動するきっかけと結果を得られることは僕達のような事業者には大きな一歩となりました。」

「地域に貢献しながら、成長していくきっかけになったプロジェクト、とても大きな意味のある3日間だったと考えています。」

最後に

今回はプロジェクトパートナーに中司さんをお招きし、津堅島での滞在を通して、島の次世代リーダーである神谷さんと共に取り組めるサポートがないかを模索しました。

「津堅島をミュージックアイランドへ」という想いのもと、これまでさまざまな努力を重ねてきた神谷さん。そんな神谷さんに対し、今回はクラファンへのアドバイスという形での関わりとなりました。

ただ、実際には数日の滞在のなかでできることはとても少ないと感じたのもまた一つの事実。これから先、津堅島の文化や自然が続いていくためには、アーティストの誘致だけでなく、継続的に島と関わる人の増加や各種事業の担い手が必要です。

神谷荘では現在、さまざまな事業を展開してきたノウハウから、農業・シェフ・カメラマンなどのスタッフを募集しているので、当記事を読んで津堅島に興味を持った方は、島の雰囲気や音楽、募集要項などをぜひ以下の各種SNSからご覧ください。

▼神谷荘公式サイト
https://www.kamiyasou.com/

▼YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCXcrsKTNwDHhp3kaGyGtprA

▼Instagram
https://www.instagram.com/tsukenisland/

▼TikTok
https://www.tiktok.com/@tsukenisland

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